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ゴルフ練習場のCRM②「魔法のスタンプカード」

最近の私のゴルフ熱に比例して、話が長くなりました。昨日からの続きです。

d0288030_19595593.jpg私が最近足しげく通っているゴルフ練習場では、スタンプカードとプリペイドカードの両方の制度が実施されています。スタンプカードは1回の来場毎に1個スタンプが押され、30個でいっぱいになるタイプのもので、かなり長い道のりといえるでしょう。私はしばらくコースには出ていませんでしたが、練習場には時間が空くと気晴らしに通い続けていました。スタンプカードが半分ぐらい貯まったときに、ふと「30個スタンプが貯まると何があるの?」とフロントの方に伺ってみたのです。すると5,000円のプリペイドカード(6,000円相当)がもらえるとのこと。一回の入場料が300円なので、30回通って支払ってきた合計9,000円が3,000円程度に削減されることとなります。「結構お得だな」と思い、それからはスタンプカードをこまめに提出することにしました。

少し話はそれますが、男性の場合、いつも財布にスタンプカードが入っているという人は少ないと思います。「必要なときに必要なスタンプカードを持ってない」・・・そんな経験をしている方もたくさんいるはずです。ゴルフ練習場のスタンプカードやプリペイドカードが比較的高い生存確率を保っているのは、キャディバッグの中に納めておく場合が多いからだと私は思っています。男性的な視点になりますが、財布の厚みを増さないことも重要な要素なのです。

話を元に戻しましょう。だらだらと期間は長かったですが、年明け以降は、あと数個でいっぱいになるスタンプカードを横目に、とにもかくにもせっせと練習に通うようになりました。いよいよ後2個で完了というところで「次回来店されたときに、お名前と住所などの連絡先を書いていただけますか?」と練習場のおじさんに声をかけられました。私の「なぜだろう?」という疑問はあっさり解けました。翌週練習に行くと、受付の別の方が「スタンプカードについて、何か聞いていますか?」と意味ありげな発言をするのです。話を聞いてみると「30個スタンプをすると、名前を印字した新しいスタンプカードが発行される」というのです。

d0288030_2053050.jpg「なーんだ、そんなことか」と思われた方もいらっしゃるでしょう。でもせっせと通い続けた客の気持ちになってみてください。これが何だかすごく嬉しいのです。「ようやくこの練習場から一人前と認められた・・・!」、そんな気持ちになります。私の場合、ドラクエで初めて秘密の呪文を授かったときのような嬉しさを思い出しました。(子供のころに、ドラクエを一作しかやったことしかありませんが) 受付の方はさらに言いました。「誕生日月にはスタンプが2倍になります」と。

本当に、たったそれだけのことでした。しかし、私のゴルフに対する一生懸命さは、それ以降加速しました。家でも素振りをしてみたり、それまでレッスン本なんて読んだこともなかったのにkindleでいろいろとダウンロードをしてみたり。
たった一枚のスタンプカードが、そのゴルフ練習場から私という顧客を捉えて離さないようにしたのです。そのゴルフ練習場は、打席からネットまでの距離もそれほど長くありませんし、設備も古く、特別にきれいな訳ではありません。メリットを考えてみると、家から近いということぐらいでしょうか。それだけでも通うには十分な理由になりますが、実際にはもっと家に近い練習場もあるのです。しかもそちらのほうがが小ぎれいで設備も若干上回っています。でも、私の足は小ぎれいな練習場には向きません。なぜならば・・・それはそのスタンプカードに他ならないのです!

ゴルフ練習場にとって、週1回来店する私という顧客は、優良の一歩手前の優良顧客予備群レベルでしょう。もっと低いレベルかもしれません。しかしネーム入りスタンプカードを手にした私は、その練習場でのレッスンやスクールへの入会、オープンコンペへの参加等といったことまで、すでに検討し始めています。相当高いロイヤルティへと着実に成長しつつあります。
私が練習場の経営者であれば、そういった優良顧客予備群レベルの顧客に対してレッスンプロからの声掛け等の施策を展開しようと考えるでしょう。そうすることで、確実に取り込める売り上げが望めるからです。ゴルフ練習場は、多くの方がひとりで黙々と練習に取り組んでいます。常連同志のコミュニティも少なからず存在しますが、どうすればそういう輪に溶け込んでいけるのか予備群顧客にはよくわかりません。(溶け込みたいかどうかは別ですが)

ある調査によれば、ゴルフ練習場の施設数は年々減少しているそうです。世代交代の波と共にゴルフ練習場の経営環境も大きく様変わりしてきているのではないでしょうか。ゴルフ場には「ホームコース」という表現がありますが、ゴルフ練習場(レンジ)にも、そんな愛着をもった言葉があってもいいはずです。根源的な価値向上をしっかりと行い、必要のない割引施策等を見直したクリエイティブCRMを実践することで、ホームレンジ、マイレンジといいたくなる価値あるゴルフ練習場が増えていくことを愛好者の端くれとして願っています。
by smartwill | 2013-04-26 19:48 | President's Voice

ゴルフ練習場のCRM①「やらなくても良い割引施策」

4月28日は、3回目の弊社の設立記念日です。2010年4月1日から事業をスタートさせていたのですが、登記手続きの関係で日程がずれこんでしまったため、縁起を担いで大安吉日だった4月28日を選びました。翌29日は「昭和の日」の祝日です。いずれはゴールデンウィークを設立記念日で自主的に前倒しし、まだ見ぬ従業員のみんなから喜ばれたいな・・・との考えもありました。
今年は日曜日ですが、設立記念日は休みとの気分にひたりたくて、あえて事務所には出社しないように気をつけます(苦笑)。
暦を見ると、来年の4月28日は飛び石連休中の平日! 来年は休業日にできているでしょうか? 設立以来丸3年間、まったくそんなことに考えが及びませんでした。少しずつそんな考えを巡らせるようになったのは、成長が止まりつつあるのか? それとも周りが見えるようになってきたのか? つねに言霊を意識する私としては、後者だと自分自身に言い聞かせています。

d0288030_2091771.jpgさてGWに突入し、いよいよ本格的なゴルフシーズンの到来です。私も下手の横好きで、ゴルフ歴は長いのですが、途中のブランクも大変長く、ようやく今年に入ってから少しずつ趣味として復活させました。年明け早々には高校時代の同級生と数年ぶりのコースに出かけ、まぁ散々な結果となりました。しかし久しぶりの芝の上は大変心地よく、寒い時期ですが好天に恵まれ、やっぱりゴルフってよいなぁと思ったものです。「これぐらいの気晴らしは積極的にやろう」と思い、最近は一生懸命ゴルフに取り組んでいます。

私のゴルフ談義はさておき、最近自宅近くのゴルフ練習場に通ううちに気がついたことがありました。それを今回はみなさんと共有したいと思います。
ゴルフ練習場には、いくつか顧客囲い込みの仕組みがあります。その最たるものは、その練習場でしか使用できないプリペイドカードの購入でしょう。もしかしたら、囲い込みの意図よりも設備投資の流れの中で導入された色合いのほうが強いかもしれません。プリペイドカードの金額は、概ね1,000円、3,000円、5,000円、10,000円といった具合です。5,000円のカードで6,000円分使用できるなど、購入金額に比例して「おまけ」の金額も増えるパターンが多く見られます。顧客が練習場を選択するポイントは、立地条件が大きなウェイトを占めているはずです。そのため継続的な利用がある程度の前提になると考えると、3,000円や5,000円程度のカードが売れ筋になっているのではないでしょうか。1度の練習で普通2~3カゴ程度打つと考えると(私を基準としています。「自分とは違う」という方はご容赦下さい)、当然、プリペイドカードを使い切ることはできません。顧客の多くは、「残額があるから、次も同じ練習場に出かけよう」と考えるはずです。
それ以外の囲い込みの仕組みとして、ポイントカード等を導入している練習場もあります。例えば利用金額に応じてポイントが蓄積され、特典と交換できるようになっています。これはゴルフ練習場に限った話ではありませんね。世の中には、ありとあらゆる店舗やサービスのポイントカードで溢れています。
このように様々な仕組みが存在しますが、現在ではプリペイドカードやポイントカード運用だけでは、なかなかお客様のロイヤルティは高まらないのが現状でしょう。例えば、もっと近くにきれいで便利で値段が同じというゴルフ練習場ができた場合、プリペイドカードを使い果した顧客の多くは、自然とそちらに通い始めることが想定されます。
ではゴルフ練習場のビジネスモデルを考えた場合、顧客囲い込みに有効な施策は、一体どんなものでしょうか? 私は、そこでの体験の充実こそが最たる施策になるうると思います。具体的に考えてみましょう。練習場の立地を変えることは、かなり困難なことです。しかしフロントスタッフの応対や設備整備状況、価格戦略、メーカーによるクラブ試打会等のイベントやスクール等の充実、混雑回避等、ゴルフ練習場の根源的な価値を向上させる取組は経営上必須で行うべきものです。そして、そのことこそが最優の顧客囲い込み施策になるのです。
実際にいろいろと見て回ると、小手先だけの囲い込み施策をしても効果の上がっていないゴルフ練習場があることにわかりました。もちろん、お得感の醸成等や周辺練習場との差別化も重要なので軽々には結論づけられませんが、やらなくてもよい割引を行っている可能性が大いにあるのです。

今回は、話が長くなりましたので、明日に続きます。
by smartwill | 2013-04-25 20:52 | President's Voice
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